産後うつ  ~ いのちの循環への畏れでは

産後に、不安定になったり、涙もろくなったり。

産後うつという症状がある。

その原因として言われることに、少々付け加えたいことがある。

 

自分にも経験があるが、出産前にはそんなことを知る機会がなかった。

ただ、仕事上付き合いのあった20才以上年上の男性が、「かみさんが産後不安定になった。産んだ後はそういうこともあるみたいだよ」と一言教えてくれたので、その渦中でも、「これがきっとあのことなのだろう。私だけのことではないのだ・・・」と思うことができた。そして家族にも「よくあることのようだから」と伝えることもできた。

 

よく言われる原因は、ホルモン分泌の変化とか、生活の激変とか、育児へのプレッシャーや不安などがストレスになって発症するものだとか。

確かにその通りだろうと思う。

 

でも。

そうなる背景にもう一つ。

「いのちが生まれてきたことへの畏れ」があると思う。

 

私より先に出産した同僚がこういった。

「この子が生まれてきたのをみて、わたしは死ぬんだな、と思った」

その場にいたみんなで笑った。おめでたいこの時に何をいうのだ、と。

 

でも、実際に自分の子を産んで、まだ見えていない目でどこか遠くを見ている様子を見て「宇宙の神秘」を感じながら、彼女の言っていたことがわかったような気がした。

 

なかったものがこんなにはっきりと在るようになる

つまり

はっきり在るものがなくなるんだ

 

理屈ではなく存在で訴えかけてくるのです

これは重いですよ

 

能天気に「かわいいわね~」「小さいわね~」

「〇〇に似てる~」とか言ってもらって

現実に戻してもらわないと、ずぶずぶとはまってしまいそうな深さや重さがある

 

それをプレッシャー、ストレス、といえるかもしれない。

でもその背景には、神秘の深淵を覗いてしまった畏れがあるのだと思うのだ。

 

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