現代美術家 宮島達男さん。
スタイリッシュで抽象的なイメージを持っていた。
宮島さんの千葉市美術館での展覧会の紹介文の中に
「長崎の「被爆柿の木」の2世の苗を世界中に植えるプロジェクト・・・」とあった。
意外。
なぜ?
ホームページによれば
知り合った樹木医さんとの関係の中でプロジェクトは始まったようです。
樹木医さんを応援するため、とありますが
応援の意味を超えて、新しい意味を生み続けているように思えます。
柿の木との出会い、
その柿の木と時間を共有することによって「存在」からなにかを考える
まわりの人たちとその「なにか」を共有する
樹木の存在する時間を「共有」し、「なにか」を共有する
これをデザインしているのです。
かつて、平和を祈って折り鶴をとおりがみをもらったとき。
折り紙。なんて非力な、と思ったことがあります。
でも鶴を折っている間、考えるのです。
非力なと思った自分。おりがみをくれた人のこと。これを集めて貼り絵をつくるという企画のこと。その企画が続いてきた時間の長さと参加した人のこと。
かつてこの地でなにが起こったかということ。
これが、祈りか、と思いいたりました。
柿の木プロジェクトでもきっと、数々の思いいたる経験が重なるのでしょう。
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「平和意識」の蘇生を目指します
原爆やホロコーストなど人権を侵害する歴史を風化させないためには、「新しい世代」が「新しい表現」を与え、「新しい意識」で読み直し、そして未来につなげていくことが必要でしょう。アートは人間の精神を開放し、自由な表現を可能にします。このプロジェクトは、「被爆柿の木2世」をアートによって新たに表現することで、人々の中の「眠っている平和意識」を「目覚めた平和意識」へと蘇生させることを目指しています。