技術は喝采を浴びるためのものではなく、作品世界を観客の奥深くに・・・

「技術は喝采を浴びるためのものではなく、作品世界を観客の奥深くに届けるために磨くものなのだと、・・・

 

研究所の第一期生からプリンシパルへと飛躍した本島美和さん(40)は心に刻んだ」(20220205朝日夕刊5)牧阿佐美さんの追悼記事より引用。

 

内容が共通するようなので引用。

 

「(舞台に出てきて音を出す前に)その時点で、うるさい、と感じる演奏家がいる。弾き始めると、そういう人の多くは自己顕示欲に満ち、これ見よがしの演奏を披歴する。そういう人が評価されるかどうかは別で、そういう人がコンクールに優勝しても不思議はない。

 対照的に、引き始める前に、静けさを伝えてくる演奏家がいる。その人の音は、自分、そして世界を見つめている。年齢とは関わりない。上手い下手とも関係がない。そういう人は大切なことを言おうとしているためか、つっかえ、間違え、コンクールの予選で消えていくこともしばしばである。しかし、静けさに耳を澄まそうとする姿勢は、聞き手に確実に何かを刻印する」

(静けさに耳を傾ける~音楽の効用 梅津時比古 婦人の友202202より)