東日本大震災をどう子供に伝えるか。(20220126 13面)
元大槌中学校長鈴木利典さんは
「震災を経験していない子どもたちの「心を動かす話」が求められるようになる」
「指導要領の検討も大切ですが、教育者はどうしたら子どもの心にスイッチが入るのかを考えなくてはなりません。スイッチが入れば、子どもは勝手に学ぶからです」
「2年前から同県一関市教委のICT指導員として「ネット社会の危険性」を教えています。・・・授業では時間の半分を使い、被災地の生徒たちの話をします。家族や家を失った子供たちが生き生きと運動したり、仮設のプレハブ校舎で一生懸命、廊下を雑巾がけしたりする姿を写真を見せながら紹介するのです。最後に「スマホでトラブってる場合じゃないよ」と字幕を出します。すると、子どもたちの心には、被災地の話も、スマホの話もすとんと落ちるようです」
なぜだろう?土俵の違う話のようでありながら、説得力があるのは・・・。
小説家の真山仁さん。
「昨年出版した「それでも、陽は昇る」は震災の伝承」がテーマだ。家族を亡くした小学校教師が自らの過去と向き合いつつ、子どもたちや後世に何を伝えるべきか悩みながら答えを探すという物語だ」
「悩み考えた末に伝えるべきは「失敗談」という答えを出した」
「先生が「震災の時、学校の体育館が遺体安置所だったのを知っているか?」というと、みんな凍り付いた。」
「「気づき」が震災伝承には必要だ。ただ生々しい誰かの悲劇だけを感情的に話してしまうと、ショックが大きすぎて教訓にならない。人が生き抜くために何が行われたかを冷静に伝えることのバランスが必要だ」
伝えること、と、伝えた結果についての考えに共感。