だいぶ昔の話。
「育休はこの会社でどのくらいの期間取れますか?」と聞いた妊婦がいた。
総務担当に聞いた。
答えがなかった。
二度聞いた。
再び答えがなかった。
親会社からの出向社員だった妊婦は、親会社に戻った。
妊婦だったその人は、子どもが成人してしまっても、このことをときどき思い出すという。その時はいやがらせかとおもったが、今は違うように思うのだと。
出産経験者がいなかったその会社の総務担当は、親会社に「育休期間」を尋ねる勇気がなかったのではないか?と思うのだという。
「そんなことも知らないのか!」と驚かれるのもイヤ。
「なんで知らないのか!」と責められるのもイヤ。
「知らない」ことがバレるのもイヤ。
「できないやつ」と思われるのがイヤ。
なるほど、ありそうな話ではある。
意外とこんなことで情報は滞るのかもしれない。
滞らせたくなければ公開を求めることだ。
総務担当もラクになる。
担当者だって同じ情報にアクセスすればいいのだ。
情報ばかりが肥大化する今、担当者だからってすべての情報を知っていると思う方が間違っている。