管理職の役割として
・業務遂行管理
・労務管理
・育成
のほかに
★経営と現場、市場をつなぐ
という大きな役割があるはずだと思う。
ここが機能しなければ、経営層が具体的な市場、商品、社員の問題や機会を知ることは難しい。
が、多くの大企業では、現場状況を経営につなげて考える管理職は少ないのではないか。ミクロなこと、ささいなこと、とるに足りぬことと切って捨てる傾向にあるのではないか。
・・・一部のメーカー系の企業(例えばトヨタ自動車)は、現場情報を大切に扱っているように聞いているが。
大半の大企業は、現場と経営が遊離し、間をつなぐはずの管理職も「上」ばかり見ているヒラメ野郎の巣窟となっている模様。
ゆうちょ銀行 不適切営業(2019年)
スルガ銀行 不正融資事件(2018年)
神戸製鋼 データ改ざん事件(2017年)
本質的に経営と向き合っていれば、こんな決定的な問題は起こらないはず。
数や評価に追われて、事業が提供する価値に背いた結果だと思う。
現場からの訴えがなかったはずはない。
現場の担当が本質的に問題ありと感じた事象を報告・提起したとき
「そうなんだよね~」「うちの会社らしいなあ」「よくあることですね」などと答えてしまう管理職のなんと多いこと。
もちろんささいで取るに足らない現場のグチである場合も少なからずあるだろう。
が、本質的な問題を抽出して建議しようという意思のある管理職はどれだけいるのか。
自分を彩るアクセサリー的トピックス(私は現場を大切にしていますというジェスチャー)としてではなく、組織全体を経営視点でチェックしキャッチした問題を経営に近寄せて検討する気概のある管理職はどれだけいるのか。
上層部から求められても、不可能なものは「できない」と断る、具体的な現場知識もしくは判断力のある管理者はどれだけいるのか。
ものすごく少ないのではないか、と思う。
新聞をにぎわす企業不祥事の数々がそれを裏付けている、とも思う。
企業上層部の(現場と市場を知らない)無理な要求を「ムリです!」ということもなく(いったかもしれないけれども結果を出せず)、現場に要求し、現場からの問題提起を経営層に伝えることもなく(伝えたかもしれないけれど結果を出せず)・・。
管理者だけではない。
経営者が、自社の不祥事に対して「断腸の思い」と発言した。
「断腸の思い」とは自分でコントロールできない外部から与えられた耐え難い状況に苦しみ果てることだ。
自分がコントロールできた、いや、すべき自社の問題について使う言葉ではない。
どこまで他所ごとなのか。
経営者の資格はないと思う。